[小出しネタ]Symphysodon aequifasciatusの仔魚の形態

レンガに集まるディスカスの稚魚

ペルー産グリーンディスカスの上屈仔魚の形態について紹介します。
カメラ破損により画質が悪いこと、ご容赦ください。

ペルー産(ナナイ川)グリーンディスカスの自由遊泳に至った直後の上屈仔魚

研究用で我が家で生まれたディスカスの稚魚をサンプリングしたので、紹介したいと思います。
写真は、ペルー産(ナナイ川)グリーンディスカスの自由遊泳に至った直後の上屈仔魚です。
観察された各体構造について説明します^^

セメント腺(Cement gland)…産卵基質に懸垂するに利用されます。計六個あります。孵化後7日間観察されました。
ヨークサック(Yolk sac)…中に栄養が詰まっています。懸垂中の仔魚は、この栄養に依存しています。また、体着後も3日間(孵化後7日目)まで観察されました。ディスカスのヨークは、他の南米シクリッドに比べて小型です。
肛門(Anal)…ディスカスは、生まれた時から肛門が開口しています。口は、孵化後2日程度で開口します。

ペルー産(ナナイ川)グリーンディスカスの自由遊泳に至った直後の上屈仔魚、それによって作成された透明骨格標本

同仔魚をDingerkus and Uhler(1977)の二重染色法により、作成した透明骨格標本です。
本来は、硬骨は赤色、軟骨は青色で染色されますが、この時期のディスカスの仔魚の骨は、すべて軟骨で形成されているので、青色(アルシアンブルー)でのみ染色されています。

軟骨は、徐々に硬骨に変化していきます。

尾びれは、若干鰭条が形成されていますが、背びれ、臀ビレ、胸鰭は、膜鰭です。
遊泳能力は、低いと思いますが、ディスカスの場合、親が給餌をしてくれるので高い遊泳能力は、必要ないのでしょうね。