[学会]ポルトガルで開催されたIEC Behaviour2017に参加
7月30日から8月4日までポルトガル・エストリルで開催された35th International Ethological Conference Behaviour17に参加してきました。
エストリルは、ポルトガルの首都リスボンから電車で約30分のところにあるリゾート地で、海や街並みが非常に美しい町です。カジノが有名な町らしく、IECの最終夜に行われた夕食会もカジノで開催されていました。また、日中の気温は30度ほどになりますが、風があり空気が乾燥しているため、非常に心地よく、気温もさほど気になりませんでした。さらに食事も非常に美味しく、今回の発表会場の近くにあったPintosという料理店のピザは絶品でした。
僕の発表は8月1日の午前で、そのセッションでは二番手でした。順番や日程が後になればなるほど、長い間緊張していなければならないので、海外での学会発表が初めてで、あがり症の僕にとっては非常に良いスケジュールであったと思います。発表は12分(+質疑3分)で日本の一般的な学会発表と変わりありません。僕は英語が「非常に」苦手なので、プレゼンのセリフは予め暗記し、わからなくなりそうなところをPowerPointの発表者ツールを使って補う形で発表しました。しかし、質問時には、質問者の英語を聞きとれず、4つの質問のうち2つの質問に’I can’t follow your question’と答えるしかなく、自分自身の英語力の低さを痛感する結果となりました。一方、発表後、”Chimpanzee politics”で知られるFrans de Waal博士や、魚類の認知研究で有名なRedouan Bshary博士から、僕の研究に関しての意見を聞くことができ、研究における今後の課題を再確認するとともにモチベーションも高めることができました。
他の人の発表は、意外にも多くの発表が認知系の内容で、当初、僕は野外観察の発表が多いと予想していたので意外でした。また、分類群で見ると昆虫から哺乳類まで様々な発表がありましたが、特に多かったのが霊長類の発表だったような気がします。口頭発表は気になる内容が異なる部屋で行われていることもあり、1題目ごとに早足に会場を移動する必要がありました。しかし、発表スケジュールが大幅にズレることもなく、気になっていた発表の多くを予定通り聞くことができたのは非常によかったです。
今回IECに参加し、非常によい刺激を受けることができました。一方、英語力という課題があることもわかりました。国内外の他の研究者とコミュニケーションを取ることは非常に重要であることは言うまでもありません。海外の研究者と思うような議論を行えなかったことは今回の反省点の一つです。今後、英語力を高めることはもちろんですが、伝えること・聞くことの工夫(筆談など)をすることで、より充実した海外での学会発表を楽しめると思っています。
※この内容は日本動物行動学会のMailNewsに掲載された内容です。転載の許可はいただきました。